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  認知症と漢方


(2008/12/16)

認知症と漢方.jpg認知症は、物忘れ、情緒不安定、不眠、徘徊、幻覚などの症状を示す、いわゆる脳の知能機能が衰えたために引き起こされる病気です。本人だけでなく、家族の生活の質に影響を与えるために、非常に厄介な病気です。「最近おじいちゃんがぼけちゃって...」という感覚で語っていたのは昔の話であり、今は認知症の高齢者の割合が非常に増えて、笑ってなどいられなくなりました。重度になると自分の名前も忘れてしまい、「それはもうすでに自己の崩壊である」という考え方も出てきています。

西洋医学的には血管障害が原因である認知症と、アルツハイマー型認知症の大きく二つに分けられます。CTやMRIなどで、脳組織の変異が見られることもありますが、特に特徴的な変化が認められない場合もあり、診断が難しい場合もあるようです。発症原因も不明であり、アリセプトなどの治療薬はあるものの、それほど大きな効果は期待できないため、対応も限られてしまいます。よって漢方などによる対処法が研究され、学会などでも発表されています。

認知症に用いる漢方ですが、その方がどのような症状、体質であるかによって、服用すべきお薬も異なります。研究が盛んな薬には「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」があり、動物レベルでは大きな効果が報告されています。「冠元顆粒」は血行を改善するお薬であるため、どちらかといえば血管障害の認知症に有効でしょう。しかし認知症はアルツハイマー型と脳血管型が混在しているケースも多く、血行を良くすると神経伝達も盛んになることが知られているため、認知症であれは、まずはこのお薬を服用されても良いと思います。
なお、アルツハイマー型の認知症は「腎虚(じんきょ)」と言って、老化現象が関係していることが多く、その場合には「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」などの「補腎薬」と呼ばれる漢方薬が使用されます。

さて少し前のことですが、認知症に「抑肝散」という漢方薬が良いとテレビで取り上げられました。以前はこのようなことがあるとかなりの騒ぎになりましたが、今では問い合わせが何件かあるだけで、それほど大きな反響が起きなくなりました。見ている方が、このような情報に踊らされなくなったということで、良いことだと思います。
「抑肝散」は、基本的には情緒不安定な方に用いる漢方薬であり、そのような症状が出ている方には有効である可能性もありますが、認知症の方どなたでも効くという訳ではありません。ぜひしっかりとした体質判断をしたうえで服用する漢方薬を選択してください。

なおご自身、ご家族の体質チェックをして、適切な漢方薬をもう少し詳しく知りたいという方は、下記の「3分簡単漢方相談」のコーナーをご利用ください。
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