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  クローン病


(2012/02/02)

クローン病と漢方.jpgクローン病は原因が良く分かっていない、いわゆる難病の一つです。小腸や大腸に炎症や潰瘍が生じることに依り、腹痛や下痢などの症状を起こします。
日本では3万人以上の患者がいるとされ、年々増え続けています。しかし欧米はその10倍の頻度で罹患者がいるとされ、いわゆる先進国で多いことから、遺伝的要因の他、生活環境や食生活との関連性が疑われています。

クローン病は10代後半から20代前半での発症頻度が高く、2:1の割合で男性患者の方が多いという統計があります。「子供の病気」とまでは言えないかもしれませんが、少なくとも高齢者に多い疾患ではありません。ちょうど親の手を離れる頃の疾病であるため、様々な部分で対応が難しくなる病気であるとも言えるでしょう。

クローン病にも程度があり、重症の場合には強い抗炎症作用を持つステロイドを使用していくべきでしょう。また腸の負担を減らすために、栄養剤をチューブ等で与える、いわゆる「栄養療法」が原則的な治療方針となるかと思います。しかしながら、これらは対症療法に過ぎない側面が否めません。
また炎症がひどい場合には手術の適用となりますが、再発率も高いとされます。
これらの理由から漢方に救いの手を伸ばす方が多くいらっしゃいます。やや長い目で見る必要はありますが、クローン病の症状の軽減に役立つ可能性は高いと思われます。ぜひ一度お試しください。

さて漢方的に見たクローン病の対処方法ですが、腹痛、下痢、発熱という症状を中心に考えていきます。炎症性疾患ですからどこかに"熱"があることは間違いありません。また下痢については"湿(余分な水分)"の存在が疑われます。よって"湿熱"を取りながら、脾(胃腸系)を保護出来る処方が候補となっていきます。
具体的には「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」や「参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)」などを考えていきます。また腹痛が生じた時用には「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などを頓服的に使用すると良い場合があります。
漢方の考え方としては「潰瘍性大腸炎」と似た傾向でクローン病を捉えます。しかし下痢や腹痛など症状の程度、日頃の体質なども考え合わせてお薬を選択します。胃腸系の疾患は服用量も慎重に検討しなければなりませんので、漢方の専門家に必ず相談しましょう。

そして食養生については、もちろん脂っこいものや生もの、アイスクリーム、牛乳などは避け、消化の良いものを取るようにするといいでしょう。和食中心とし、根菜類などの"脾"のパワーアップにつながるような食材を多く摂り入れてみて下さい。

クローン病は難病ではありますが、決して死に至るような病気ではありません。長期的に治療を考えていかなければならないとなると若い年代では負担が大きいかもしれませんが、ぜひ漢方を上手に取り入れて生活の質の改善に役立てて下さい。

(参考図書;今日の治療方針(医学書院))

 

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